旅の手段として新幹線をよく利用するようになった。その度に同じことを思う。新幹線ってすごい。当たり前だけど、早い。その割に安くないか、と思う。
乗って数時間、地図で見る限り遠いはずの他に辿り着く。都会のビルの間をすり抜け、住宅街へ。気づけば連なる山が遠くにみえるようになり、トンネルへ潜る。
毎回行き先は違えど、目的地の駅のホームで頭上の駅名標を見上げて思う。もう着いた。
まるで子どもみたいな感想しか出てこないが、やっぱり新幹線は特別な乗り物なんだと思う。
在来線で電車を待っている時、街中で走り去る姿を見た時、必ず「あ、新幹線」と口に出してしまう。
その特別な乗り物に、一年に何度もなるようになって私は大人になったな、としみじみ思う。