わたしと、あいてと、ある約束をする。同じ内容を共有することになるが、問題なのはその内容がお互いにとってどの程度の重みがあるかということ。
約束を交わしても、わたしにとってものすごく重要なことでも相手にとってそうでなければ、約束は約束としての価値をなんら持たない。
約束を交わしたその時は同じ思いであったかもしれない。けれども次第に、相手にとっての約束がどの程度のものだったかと思い知らされる。
悲しい、辛い、苦しい、惨め。
そして、そういう相手だったといつまで経っても学習できない自分が愚かで情けなくなる。
約束なんてするんじゃなかった。でもその時は、その約束に賭けたのだ。変わるかもしれない。何か少しでも、いいように変わるかもしれない。自分の苦しみが少しでも和らぐかもしれない。
そんなことはなかった。
約束を重ねるたびに、それは約束でもなんでもなかったと後になって消化できない苦しみとしてわたしにのしかかる。